どっと読む8/22号(第1044号)
4~6月期実質GDP、年率6%増に
内閣府は4-6月期の実質国内総生産(GDP)1次速報で成長率は前期比1.5%、年率換算で6.0%だったと発表した。2020年10-12月期以来の高い伸び率で、実額では過去最高の560兆7401億円となった。成長GDPの大半を占める個人消費は前期比0.5%減となり、3四半期ぶりにマイナスに転じた。ただ、輸出の増加(3.2%増)と輸入の減少(4.3%減)が成長率を押し上げることとなる。エコノミストは「コロナ前の経済規模を超える回復だ」としながらも、「消費はコロナ前水準を回復していない」と先行きへの不透明感を指摘する。
7月全国消費者物価指数、3.1%上昇
総務省は7月の消費者物価指数は105.4となり、前年同月比3.1%上昇したと発表した。上昇率は6月から0.2ポイント下落したものの、物価上昇率が3%以上となるのは11カ月連続となる。生鮮食料を除く食料は9.2%上昇し、48年ぶりの歴史的な上げ幅が続いている。背景には、原材料高や円安、物流費上昇が響いて食品の値上がりが相次いでいることが挙げられている。上昇が著しいのは、鶏卵(36.2%)、炭酸飲料(16.4%)、宿泊料(15.1%)などとなっている。
全国平均の最低賃金、初の1千円超え
厚生労働省が発表した各都道府県の審議会が取りまとめた今年度の最低賃金の全国平均は1004円となったことが明らかになった。昨年度から43円増となり、初めて1000円を超えたことになる。引き上げ額と上昇率(4.5%)はいずれも過去最大となる。最も引き上げ額が高かったのは佐賀県で目安額を8円上回っている。最低賃金最高額は東京都の1113円で、最低額は岩手県の893円で、その差は220円となっている。新しい最低賃金は10月1日以降、各都道府県で順次適用される。
政府保有の日本郵政株の一部を売却
財務省の発表によると、保有する日本郵政株式1億227万3600株を1056億9976万5600円で売却したことが明らかになった。結果、政府が保有する日本郵政株保有比率は33.3%に低下した。日本郵政は5月に3000億円を上限に自社株式取得を決議しており、財務省もこれに対応して保有する1056億円分の日本郵政株を売却するとしていた。郵政株の売却収入は復興財源確保法に基づき東日本大震災の復興財源に充てられる。
上場74地銀のうち40社が減益に
東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループ74社の2023年4~6月期決算によると、全体の半数を超える40社が減益となったことが明らかになった。74社の純利益合計は前年同期比10.1%減の3398億円となった。減益となった背景には、政府による新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が今夏から本格化することから取引先の倒産に備えて計上する与信関係費用が増えたことと、外国債券の売却損を計上したことが挙げられている。
7月訪日客、コロナ禍後で最多の232万人
政府観光局の推計によると、7月の訪日客は前月比11.9%増の232万600人だったことが明らかになった。新型コロナ禍以後で最多を更新した。8月10日に中国政府が約3年半ぶりに日本への団体旅行を認める決定をしており、訪日客数は今後さらに増えるものとみられる。7月の訪日客を国・地域別にみると、韓国が最多62万6800人で、台湾(約42万人)、中国(約31万人)、香港(約21万人)が続いた。今後、地域経済への波及効果が期待される一方で、混雑や人手不足の懸念も指摘されている。
女性管理職30%超企業は過去最高に
帝国データバンクの調べによると、女性管理職が30%以上を占める企業の割合は前年より0.3ポイント増の9.8%となったことが分かった。過去最高を更新したものの、依然として1割未満にとどまった。調査では、新型コロナからの経済回復で人手不足に陥る企業も多く、本業に集中したことで女性活躍に関する対応に手が回らなかったとの声も聞かれた。政府は、東証プライム市場に上場する大手企業を対象に、2030年まで女性役員の割合を30%以上にするとの目標を掲げている。
サンマ初水揚げ、1匹当たり1万6800円
北海道根室市の花咲港でサンマ棒受け網漁の小型船によるサンマの初水揚げがあり、1キロ当たり14万400円の過去最高値を付けた。昨年の1キロ当たり5万4千円を大幅に上回り、1匹換算にすると約1万6800円になり、もはや庶民の魚は〝高級魚〟化している。昨年の全国のサンマ水揚げ量は1万7910トンで、ピークだった2008年の約19分の1になっている。水産庁は7月に今年の道東から常磐海域の8~12月は「低水準」と長期予報を発表している。