どっと読む8/23号(第993号)
7月の消費者物価指数、2.4%上昇
総務省は7月の全国消費者物価指数は前年同月比2.4%上昇の102.2だったと発表した。原油などのエネルギー価格や穀物価格の上昇に加え、円安による輸入物価の上昇により、生活に欠かせない電気代や食料品など値上がりした。同省の調べによると、7月に物価上昇率が大きかった主な品目は、食用油(前年同月比40.3%上昇)、電気代(同19.6%上昇)、ガス代(同18.8%上昇)、携帯電話機(同14.7%上昇)、食パン(同12.6%上昇)などとなっている。
NY原油、約6カ月ぶり安値の89ドル台
ニューヨーク原油先物相場で指標となる米国産標準油種(WTI)の9月売渡価格の8月15日終値は1バーレル=89.41ドルとなった。前週末比2.68ドル安となったが、一時は1バーレル=86ドル台後半まで下落し、ロシアの侵攻前の2月上旬以来約6カ月ぶりの安値となった。中国をはじめ世界的な景気減速でエネルギー需要の減少が懸念されたことから、売り注文が膨らんだことが背景にある。ロシアの侵攻後の3月には130ドル台で推移していたが、40ドル以上も下落したことになる。
貿易赤字12カ月連続、7月は過去最大
財務省は7月の貿易統計で、貿易収支は1兆4368億円の赤字となったと発表した。貿易赤字は12カ月連続となり、7月としては過去最大となった。背景には、原油などの資源高や円安により輸入が前年同月比47.2%増の10兆1896億円と大きく膨らんだことが挙げられている。輸出も19.0%増の8兆7528億円と最大を更新したものの、輸入額には及ばなかった。今後、世界経済の減速で輸出の伸び悩みが懸念されており、日本経済への悪影響が懸念されている。
物価高騰が低所得者を直撃している実態
総務省の調べで、エネルギーや食料などの物価高により低所得世帯ほど家計負担が重荷となっている実態が明らかになった。同省が勤労者世帯の年収を5段階に分類し、それぞれの階層の6月の消費者物価上昇率との相関を調べたもので、年収962万円超の高所得者世帯は前年同月比2.0%だったが、低所得者である年収463万円以下の世帯は無職世帯含めて2.4%だった。所得が低いほど物価上昇率が高くなっている実態を浮き彫りにした。
コロナ感染者の自宅療養、4週連続で最多
厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染で全国の自宅療養者数は8月10日時点で約155万8千人となり、4週連続で過去最多を更新した。また、同省がまとめたコロナ感染症による死者数は8月9日に250人に達し、約1か月前の7月15日時点(31人)に比べて約8倍に上っている実態にある。第6波の2月22日時点での死者数は最多の277人を記録しており、脇田感染症研究所長は「適切な医療が受けられず、死者数は第6波を上回る可能性がある」と指摘している。
宇宙ゴミ落下で死傷者の確率は10%に
カナダ・ブリティッシュコロンビア大の研究チームは人工衛星を打ち上げたロケットの残骸などのスペースデブリ(宇宙ゴミ)が地上に落下して今後10年間で死傷者を出す確率は10%に上ると発表した。同研究グループの論文では、1992年から30年間で1500以上のロケット残骸が軌道を外れ、そのうち約7割が制御不能に陥ったとみられる。高度600キロ未満の低軌道を周回し、落下の恐れがある残骸は651個あり、今後10年間に大気圏に突入して落下することでの死傷者が出る確率は10%になると分析している。
国内カフェ大手使い捨てカップ、年3.6億個
環境保護団体グリーピースは、日本の主要カフェチェーン9社で2020年に使い捨てられたプラスチックや紙のカップは推計で3億6950万個に上るとする調査報告書を発表した。調査はスターバックスなどの大手カフェチェーン9社を対象にアンケートや調査員を使った店内観察、取集したレシートの分析を基に、各社の売り上げデータなどを加味して2020年の使い捨てカップの消費量を推定したもの。同団体では「再利用容器の使用拡大などで使い捨てカップの削減に取り組む必要がある」と指摘している。
NZ、世界初の「たばこのない国」を目指す
ニュージーランド政権は2009年以降に生まれた子どもが生涯にわたって、たばこを吸えなくするための法改正案を世界で初めて国会に提出した。法案は賛成多数で可決する見通しで、年内には可決・成立するとみられている。NZ政権は「たばこのない国」を目指し、現在1箱約2500~3400円程度するたばこにさらに税金を上乗せするとともに、ニコチンを大幅にカットすることに加え、たばこ販売店も9割以上削減する計画を立てている。