どっと読む6/7号(第983号)
OPECプラス、日量1.5倍の増産を決定
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成するOPECプラスは、7・8月の原油を増産することで合意した。7・8月の増産幅は6月の日量43万2千バーレルから1.5倍となる64万8千バーレルに拡大される。欧州連合(EU)がロシア産原油の海上輸送分の輸入を禁止する決定をしたことで、原油価格がさらに高騰する懸念から、米欧が追加増産を求めていたことに対するOPECでの決定となった。
1~3月期、全産業の経常利益は13%増
財務省は1~3月期の法人企業統計で、全産業の経常利益が前年同期比13.7%増の22兆8323億円だったと発表した。5四半期連続でプラスとなった背景には、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ世界経済の回復から幅広い業種で利益を伸ばすとともに、円安で輸出企業の収益が増加したことが挙げられている。資本金10億円以上の企業は18.2%増となったのに対し、1千万円以上1億円未満は3.1%増にとどまり、企業規模による格差が見られた。
今年の食品値上げは1万品目超の公算
帝国データバンクが食品主要105社を対象に今年値上げ品目(予定も含む)を調査したところ、5月19日時点で既に8385品目に上っていることが分かった。6月以降も値上げを実施している状況などから、今年は累計で値上げは1万品目を超える公算が大きいとみられている。原油高や円安、ロシアのウクライナ侵攻による小麦価格の高騰が値上げの背景にある。食品値上げは家計への打撃となり、購買意欲の減退を招き、メーカーや小売店にとっては悩ましい実情にある。
日本のSDGs達成状況、世界19位に
持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)がまとめた報告書によると、世界各国のSDGs(持続可能な開発目標)の達成状況について、達成度を163カ国の国別ランキングで、日本は前年から順位を1つ下げる19位だったことが明らかになった。SDSNは国連と連携する国際的な研究組織で、17あるSDGs目標ごとに達成状況を4段階で評価し、国別にランキング化した。日本は、「ジェンダー平等」「気候変動対策」などの6つが最低評価された。
2021年出生数、最少更新の81万人
厚生労働省は2021年人口動態統計で出生数は過去最少を更新する81万1604人だったと発表した。また、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率は前年比0.03ポイント低下の1.30となり、6年連続での低下となった。新型コロナ感染拡大の影響から「産み控え」を指摘する声もあり、出生数、出生率は下落している。一方、婚姻数は前年比2万4391組減少の62万8205組で戦後最少となった。
2021年魚介類消費量、過去最低に
閣議決定された2021年版水産白書によると、日本の1人当たりの魚介類消費量は2020年度に23.4㎏となり、比較可能な1960年度以降で最低となったことが分かった。ピークだった2001年度の6割弱に落ち込んだ背景には、価格の高さや調理の手間がかかることに加え、調理方法が知られていないことが挙げられている。他方、2021年の水産物の輸出額は、ホタテガイやブリが大幅に伸びたことを背景に32.5%増の3015億円だった。
コロナ入院1年後も、3割以上が後遺症
厚生労働省研究班の調査によると、新型コロナウイルスの入院患者の3割以上が診断から1年後も倦怠感などの後遺症を訴えていることが分かった。全国の27医療施設に入院した18歳以上の患者を対象にアンケート調査したもの。1年後の症状で最も多かったのは「倦怠感」(13%)で、「呼吸困難」(9%)、「筋力低下」(8%)、「集中力低下」(8%)、「睡眠障害」(7%)、「記憶障害」(7%)だった。ただ、症状は時間の経過とともに減少が見られた。
パックご飯生産量、過去最高に
農林水産省の食品産業動態調査によると、パックご飯を指す「無菌包装米飯」「レトルト米飯」を合わせた2021年の生産量は約23万4千トンに上り、統計を開始した1999年以降で最高を記録したことが明らかになった。東日本大震災を契機に非常食として注目され、コロナ禍での外出自粛や単身・高齢世帯を中心に日常用としても需要が増してきている。コメの消費量が年々減少する中で、企業は増産に力を入れているとともに、政府も生産体制増強や海外向けPRに補助金を出すなど支援を図っている。