
どっと読む6/3号(第1133号)
日本の対外純資産残高は世界2位に転落
財務省は日本政府や企業、個人投資家が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産残高は2024年末時点で533兆500億円だったと発表した。1年前時点から12.9%増加し、過去最大となった。しかし、ドイツは経常黒字などが積み重ねてきた資産が大きく、569兆6512億円となり、ドイツに首位を明け渡し、世界2位となった。国際通貨基金(IMF)によると、主要国・地域別の対外純資産は、中国が516兆円、香港が320兆円などとなっている。
金利上昇で国債評価損は28兆円超
日銀が発表した2025年3月期決算で、保有する国債の評価損は3月末時点で28兆6246億円に上ることが明らかになった。評価損は1年前時点から3倍超となり、過去最大。背景には、日銀による政策金利の引き上げによって、長期金利が上昇したことが挙げられている。評価損について、日銀は国債が満期を迎えて元本が償還されるまで保有することを前提にしており、「日銀に対する信認や政策推進に影響はない」としている。ちなみに、3月末時点での国債保有残高は575兆9308億円となっている。
財政審意見書、国債利払い費増に提言
財成制度等審議会が発表した建議(意見書)で、日銀の利上げで国債の利払い費増加が見込まれることから、「一層の緊張感を持って財政運営に臨む必要がある」との提言を発した。また建議では、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化が「2025年度から26年度に変更されている」に変更されていることに、「可能な限り早期に実現すべき」と提言した。日本の対GDP比の債務残高は先進国の中でも最悪な水準にあり、建議で「国債の格下げや長期金利の急騰を招きかねない」として「隙のない財成運営が求められている」と建議している。
米の関税政策、中小の4割が「影響ある」
中小企業基盤整備機構が中小企業約2300社を対象に行ったアンケート調査で、海外と取引がある中小企業が米政権の関税政策に43.0%が「影響がある」と答えていることが分かった。このうち2割弱の企業は「海外売上高が40%以上減少する」と見込んでいる。一方、具体的な対応策を尋ねたところ、大半が「対応策の予定はない」「分からない」との答えが多かったが、「販売価格への転嫁」「生産体制の見直し」を行う企業があった。
7~9月電気・ガス料金補助を閣議決定
政府は7~9月の一般家庭での電気・ガス料金について月千円程度の補助することを発表した。昨年夏に実施した支援策に比べ、円高ドル安という為替相場傾向に加えて、エネルギー価格の下落を背景に、補助額は縮小すると見込んでいる。政府は補助政策の経済対策として2025年度予算の予備費から3881億円の支出を決定している。電気・ガス料金支援は2023年1月から行なわれており、これまで累計予算額は約4兆6千億円に達する。
日本郵便、英数字7桁番号で荷物配達
日本郵便は7ケタの英数字による自宅住所を伝えられるインターネット上での「デジタルアドレス」を導入することを発表した。このサービスは、ネット通販などを利用する際に、7桁の英数字番号を入力するだけで、自宅に荷物が届く仕組みで、これまでの郵便番号や自宅住所の入力が不要となる。デジタルアドレスはネット通販などを利用する個人に「ABC-1234」といった固有番号を割り当てる仕組み。日本郵便の無料会員サービス「ゆうID」と紐付けられ、転居者は「ゆうID」に登録した住所を変更するだけで引っ越し先にも届けられる。
山形県、12番目の人口100万人割れ
山形県は6月1日現在の推計人口は99万9378人となり、都道府県のうち12番目で100万人を割り込んだと発表した。同県人口のピークは1950年の135万人強だったが、2018年に110万人を割り込み、毎年1万人以上のペースで減少してきている。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、同県は人口減少が抑えられたケースでも2050年に71万人、2070年に49万人になるとみられている。人口100万人未満の都道府県は秋田県や富山県など11県があり、早急に社会・経済の活力を維持する対策が待たれる。
「サラっと川柳」、ベスト10決まる
第一生命保険が発表した「サラっと一句!わたしの川柳」ベスト10が約7万人の投票のもと、決定した。1位には「AIの 使い方聞く AIに」が選出され、「久しぶり 笑顔は出るが 名前出ず」「セルフレジ 母に店員 二人付く」が続いた。世相を反映し思わず失笑がこぼれる川柳ばかりだが、最新技術を使いこなせない姿、物価高やコメ不足など、生活苦に追いやる姿を詠んだ作品が上位に選出されている。