どっと読む2/21号(第1018号)
1月貿易赤字、単月で過去最大3兆円超
財務省は1月の貿易統計で貿易収支は3兆4966億円の赤字だったと発表した。貿易赤字は比較可能な1979年以降、単月としては過去最大となるとともに、3兆円を超えたのは初めてとなる。貿易赤字は18か月連続となる。原油などの資源エネルギー高に加え、為替レートが平均で前年同月から17円余り高い1ドル=132円08銭となった円安が背景にあり、輸入が前年同月比17.8%増の10兆478億円となっている。とりわけ、中国の貿易赤字は過去最大の1兆4231億円と膨らんだ。
10-12月期GDP、年率0.6%プラス
内閣府が発表した昨年10~12月の国内粗生産(GDP)は年率換算で0.6%のプラスとなり、2四半期ぶりのプラス成長になることが明らかになった。全国旅行支援で国内での旅行需要が増えたことに加え、コロナ感染の水際対策が緩和されたことで訪日外国人が増加したことが要因とされている。1~3月期はこの流れを受けてインバウンドやサービス消費が見込まれる一方で、国内での物価高や海外経済の減速が響き、日本経済の本格的な回復軌道への道筋には懸念が依然として立ちはだかっている。
日本全国の島、1万4千に倍増
政府が日本全国の島を数え直した結果、総数はこれまで公表されてきた6852から1万4125に2倍強に増加する見通しにあることが分かった。国土地理院が2022年の電子国土基本図を基にコンピューターで自動計測したもので、小さいものを含め10万以上見つかったが、外周100メートル以上の島を選び出した。領土や領海の広さに変わらない見込みだが、教育現場で使われる各種資料の記述に影響が出ると見込まれている。今回の調査で1千を超えたのは長崎、北海道、鹿児島の3道県だった。
1月訪日外国人、前年比84倍の149万人
日本政府観光局は、1月の訪日外国人数は前年同月比約84倍の149万7300人となったと発表した。前月比では7カ月連続での増加で、新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されたことが背景にある。が、中国政府による日本への旅行制限継続が響き、中国からの訪日客数は2019年1月比で95.9%減となっており、訪日客数の本格的な復活までには遠いといえる。訪日客を国地域別にみると、韓国の56万5200人が最多で、台湾(約26万人)、香港(約15万人)が続いた。
建設賃金「労務単価」5.2%引き上げ
国土交通省は公共工事費の積算にあたって算出する建設作業員の基準賃金となる「労務単価」を全国平均で5.2%引き上げると発表した。3月から適用となり、1人当たりの日額(8時間労働)は2万2227円となる。11年連続での引き上げで、引き上げ率が5%を超えるのは9年ぶりとなる。労務単価の引き上げの背景には、事業者が人手不足を解消する上での処遇改善や、政府が主導する賃上げ機運が高まっていることに連動するものとされている。
宿泊業の8割で「人手不足感」
帝国データバンクが全国約1万2千社を対象にした調査で、1月時点で旅館・ホテルの77.8%が「正社員が不足」と答え、81.1%が「非正社員が不足」と答えていることが分かった。飲食店でも正社員で60.9%、非正社員で80.4%が「不足」と答えていた。全業種でみると、正社員不足は51.7%、非正規社員不足は31.0%で、旅館・ホテルの宿泊業での人手不足感が突出して際立っている。同社では宿泊業での人手不足について「感染状況によって営業や収入が左右されるとの不安から働き手が戻りづらい」とみている。
輸出の花形「電気機器」、初の貿易赤字
財務省の貿易統計によると、テレビや携帯電話など電気機器の貿易収支は2022年下半期(7~12月)に812億円の赤字となったことが明らかになった。半期ベースでの赤字は現行方式での調査データが残る1988年以降34年ぶりで初めてとなる。輸出産業の花形とも言われ続けてきた電機業界が円安にも関わらず、初めて赤字に転落した背景には、日本製品の国際競争力が低下したことに加え、生産の海外シフトが進展し日本からの輸出は減少したことが挙げられている。
介護施設の7割、夜勤16時間以上労働
日本医療労働組合連合会が全国の介護施設を対象にした調査によると、夜勤者が16時間以上働いている施設は68.9%に上ることが分かった。日勤と夜勤の2交代制としている施設が87.4%と大半を占めていた。2交代制だと、1日8時間勤務の3交代制よりも、労働時間が長くなり、職員の心身への負担が懸念されている。同連合会では「一向に長時間労働は変わらない。人手不足、なり手不足が一番の要因だ」と指摘しつつ、労働環境の改善を訴えている。